「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

「パンデミックで悪化した階級間の壁 ~フランスにおける新型コロナ感染症対策の自宅閉じこもり違反者の報道から~ 9回目」 ソフィー・ビュニク 「Des barrières entre classes aggravées par la pandémie. À propos de la médiatisation du non-respect des mesures de confinement en France 9」par Sophie Buhnik

(ソフィー・ビュニクさんのエッセイの続き 9回目 最終回) ここで批判されているのは、政府の方針に逆らってオープンしていたこれらのレストランにやって来た客たちの下品さである。客たちは結局、風味の乏しい料理に対して法外な料金を支払う心構えができ…

「パンデミックで悪化した階級間の壁 ~フランスにおける新型コロナ感染症対策の自宅閉じこもり違反者の報道から~ 8回目」 ソフィー・ビュニク 「Des barrières entre classes aggravées par la pandémie. À propos de la médiatisation du non-respect des mesures de confinement en France 8」par Sophie Buhnik

(ソフィー・ビュニクさんのエッセイの続き 8回目) 最後に、この件について最も興味深く、真相暴露的だったのはインターネットユーザーたちが作った料理のパロディだった。スキャンダルで一番衝撃を与えたものの1つが、料理の値段とメニューとの乖離である…

「パンデミックで悪化した階級間の壁 ~フランスにおける新型コロナ感染症対策の自宅閉じこもり違反者の報道から~ 7回目」 ソフィー・ビュニク 「Des barrières entre classes aggravées par la pandémie. À propos de la médiatisation du non-respect des mesures de confinement en France 7」par Sophie Buhnik

(昨年から断続的に地理学者のソフィー・ビュニクさんによる一連のエッセイを翻訳してきました。フランスにおけるコロナ禍の中で政府が国民に家にとどまり、会食を控えるように命令を出していた渦中で、富裕層を中心に、豪華な食事会が開かれていたことがこ…

「百歳の哲学者が語る人生のこと」 エドガール・モランの本が翻訳されました

哲学研究者であり、文学の翻訳者でもある澤田直教授が翻訳した最新刊がエドガール・モラン著「Lecons d’une siecle de vie (100年の人生の教訓)」(直訳)で、邦訳のタイトルは「百歳の哲学者が語る人生のこと」です。本書が貴重なのは、100年生きた人で初め…

2018年のフランス語弁論大会(日仏会館)での私の原稿

日仏会館ではフランス語での弁論大会を毎年やっていて私も2018年に登壇したことがありました。コンクールに臨んだ登壇者の多くは高校生や大学生で、50代の私は最長老だったかと思います。私は原稿が決勝出場に選ばれたので、登壇してフランス語でスピーチす…

アラン・コルバンの歴史学  翻訳者である小倉孝誠教授の語り

今回、「フランスを読む」では、再び歴史家アラン・コルバンを取り上げました。前回は1冊の本に集中しましたが、今回はコルバンの背後にあるフランスのアナール学派という大きな歴史学の系譜について、基礎からお話しいただきました。必聴です。歴史と言えば…

ドイツのグローガー理恵さんがもう1発「ウクライナ危機の責任は欧米にある」(ジョン・ミアシャイマー教授)

ちきゅう座のグローガー理恵さんは、ウクライナの戦争に関して、マスメディアが無視してきた非常に示唆に富んだ欧米の情報を発信していました。今回も、またそうした情報です。アメリカの国際政治学者ミアシャイマー教授によるウクライナ戦争の構造です。こ…

36年前、仏文学を教わった三野博司先生に新訳「ペスト」(カミュ作)についてお話しいただきました

YouTubeチャンネルの「フランスを読む」で、昨年、岩波文庫から71年ぶりのカミュ作「ペスト」の新訳を刊行した三野博司・奈良女子大学名誉教授にご登場いただきました。私は大学時代、三野先生に第二外国語のフランス語を教えて頂きましたが、今回、36年ぶり…

共和党大統領候補だったペクレッスさんの悲劇  敗れて借金王に

フランス大統領選で昨年末の一時期、マクロン候補を凌ぐ人気とメディアで脚光を浴びたのが共和党のヴァレリー・ペクレッスさんでした。エリートで見栄えもよく、実際、一時期は輝いていました。共和党は社会党と二大政党だったわけですが、2017年に続いて今…

日本の独自外交を放棄した岸田外交   岩田昌征教授の「露宇戦争をめぐるセルビア人の感覚」(ちきゅう座)を読む

日本が外交主権を持ちえないことを改めて示したのが今回のNATOに同調した岸田外交で、そこには日本がロシアとどう交渉するか、という視点が欠落して、米国に追随するだけの国家であることが改めて示されています。それをつづったのがちきゅう座の岩田昌征(…

ルモンドとTV

以下のルモンドの記事に、ルモンドが毎週日曜日にTV局のFrance Intelと協力して政治に関するインタビューを作っていることが書かれています。ルモンドはフランスの夕刊紙で、この前書きが何を意味するか、特に日本の私たちに何を示すか、と言えば、フランス…

アフガニスタンではタリバンが女性のブルカ着用を義務化 公務員女性が違反したら即刻解雇 さらに夫も処罰

5月7日にタリバンが女性にブルカの着用を義務付けました。頭部だけじゃなくて、頭からつま先まですっぽり覆う衣装です。ルモンドの報道ではここでいう対象となる女性は、幼すぎず、老いすぎていない女性を指します。すなわち、生殖の対象、セックスの対象と…

東京新聞・望月記者のペンと動画の併用記事の魅力

東京新聞の望月衣塑子記者の記事。菅元首相が安倍内閣の官房長官だった頃、記者会見で菅氏に何度も食い下がって質問を浴びせたことで著名です。政治部の記者が大半の中で、彼女は所属が社会部だったことで政治部の常識から離れて、自由な質問を発することが…

新しい勉強の形「ゴンクール賞日本」 大学の敷居を越えたZOOM読書会

前に一度、紹介しましたが、学生が選ぶゴンクール賞が日本でも昨年から始まり、3月末に第一回目のゴンクール賞日本の受賞作が発表されました。フランスのゴンクール賞選考委員会が途中まで選んだ候補作数作の中から、独自に日本で受賞作を選ぶのですが、学生…

ウクライナの報道にもやもやを感じる方にお勧めの記事さらに2点

先日、ウクライナの戦争に関する欧米の2知識人のインタビュー記事をお伝えしましたが、今日はさらにもう2つ。ちきゅう座というネット媒体のもので、書き手は塩原俊彦さん、本を何冊も執筆している方です。特にゼレンスキーとその仲間たちがどういう人物かに…

国際ニュースの読みどころ  兵器輸出に注目したい

国際ニュースの読みどころと言いますか、必ず着目すべき点は、国際間の兵器の売買です。国際間の武器の輸出入の数字を見れば、表社会で政治家たちが訴えていることと、裏側の本音との乖離が必ず見えてきます。今のウクライナにおける戦争もそうです。兵器は…

カミュ作「ペスト」 フランスを読む 第25回目

新型コロナウイルスで感染症に関する小説が世界的に読まれるようになったそうですが、昨年、岩波文庫から「ペスト」の新訳を出した三野博司教授に読みどころなどをお聞きしました。ちなみに私は偶然ですが、大学時代の第二外国語として履修したフランス語の…

知の巨人、ノーム・チョムスキー!「ウクライナ戦争とアメリカの巨大な欺瞞」―全世界必見の動画!【日本語字幕付き】

アメリカの著名な言語学者のノーム・チョムスキー教授がウクライナ戦争に関する見解を述べています。私は極めて鋭い見解だと思います。欧米でも日本でも、マスメディアよりもこうした独立したジャーナリストによるインターネットメディアの方が、良い情報を…

ガンザー博士が語るウクライナ紛争:真実の裏側

今日、あるウェブサイトで次の動画の存在について知りました。今、メディアに席巻しているウクライナ報道とはかなり違ったバージョンです。ロシアの情報攪乱なのでしょうか?そうでは絶対にないとは言い切れませんが、非常に興味深い視点とデータを伝えてい…

アラン・コルバン著 「静寂と沈黙の歴史」 フランスを読む第24回

「フランスを読む」第24回目の今回は、アラン・コルバン著「静寂と沈黙の歴史」の翻訳にあたった小倉孝誠教授にお話しいただきました。小倉教授は原著のタイトルにある”silence”には日本語では静寂と沈黙の2つの意味があると解説します。本書はこの「silenc…

主権国家を爆撃し、政権交代を力づくで起こした仏軍のリビア侵攻 マリーヌ・ルペンの2011年の反戦演説

今年、フランス大統領選で2度目の決戦に至った国民連合のマリーヌ・ルペン党首について、最初に党首として印象に残ったのは2011年のリビアに対するサルコジ大統領の軍事侵攻に反対の姿勢を示していたということである。2010年末にチュニジアで始まったアラブ…

フランス大統領選 次の日曜日に決選投票 マクロンVSルペン 肉薄する極右勢力

ふたを開けてみると、今年のフランス大統領選もマクロン候補(現職)対マリーヌ・ルペン候補(国民連合)の決選投票となって、2017年の再来です。しかし、世論調査を見ると、2017年の大統領選決選投票で66%対33%のダブルスコアで勝利できたマクロン氏にル…

4月20日のTV討論で再び完勝したマクロン 

www.youtube.com フランスの大統領選挙では第一回目の投票前に候補者の討論会が行われ、過半数の票を獲得できた候補者がいなかった場合、決選投票の前に討論会が再度、二人の候補者の間で行われる。4月20日はマクロン大統領(現職)とマリーヌ・ルペン候補の…

第一回目のゴンクール賞日本を取材して

3月29日に東京の駐日フランス大使公邸で、ゴンクール賞日本の受賞作が発表されました。ゴンクール賞と言えば、日本の芥川賞に相当する権威のある文学賞です。今回が日本では第一回目となります。そして、この海外版の特徴は学生が選考委員であるということで…

日本の大学生が選ぶゴンクール賞 第一回目の受賞作が決まる

昨日、3月29日、日本の学生が選ぶゴンクール賞が決まりました。10月から大学生を中心にフランスのゴンクール賞候補作9作から、学生たち自身で選考して、約5か月間で4冊の小説を原書で読み、選考のための議論を積み上げてきたのです。そして、昨日全国5地域の…

フランスを読む 22回目 ペリーヌ・ル・ケレック詩集「真っ赤な口紅をぬって」

「フランスを読む」では22回目の今回、詩集をご紹介します。ペリーヌ・ル・ケレックという名前の女性の詩人による「真っ赤な口紅をぬって」という詩集。原タイトルは「Rouge pute」(字面通りに訳せば、売春婦の赤)で、罵倒の言葉であるとお聞きしました。…

「フランスを読む」YouTube チャンネル開設から1周年  

「フランスを読む」というYouTubeチャンネルを昨年の今時分の立ち上げて、1年がたちました。毎回、10分ほどでフランスの本1冊を翻訳家や作家、教授、ライターなどの方々に話していただいています。コンテンツは20本ですから、平均すると1か月1本~2本の生産…

デビッド・ハーベイによるウクライナ戦争への考察

経済地理学者のデビッド・ハーヴェイ教授が、ウクライナ戦争の背景にあるNATO諸国の考え方の誤りをつづっています。これは冷戦終結後の歴史から考察する、と言う点ではすでに私が紹介した人々と通底しています。そして、また共感したのは、戦争がどうい…

テレビ東京のネットニュース  北方領土返還に関する共産党の考え方を報じた篠原記者の興味深い解説

私はテレビ東京のネットニュースを興味深く時々見ています。以下のニュース解説もとても面白かった。 北方領土問題と共産党/意外な共産党の「強硬」姿勢の論理とは【テレ東 官邸キャップ篠原裕明の政治解説】(2022年3月11日) www.youtube.com

ペリーヌ・ル・ケレック詩集「真っ赤な口紅をぬって」 (相川千尋訳)  フランスのDVやレイプ被害者の心の声をつづった詩集

私は男性なわけですが、フェミニスト詩集をご紹介いたします。ペリーヌ・ル・ケレック詩集「真っ赤な口紅をぬって」(相川千尋訳)。これはフランスのDVやレイプ被害者の心の声をつづった詩集で、作者は被害者から行った聞き取り調査をもとにこの詩集を書い…