「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

詩に満ちたジェンナロ・コンタルド氏のイタリア料理YouTube番組

僕がファンになっているYouTubeチャンネルが、イタリア人のシェフ、ジェンナロ・コンタルド氏によるイタリア料理の番組です。コンタルド氏はロンドンで店を経営していた関係で英語に堪能で、しかも英国の料理番組に出演していた人です。実にサービス精神たっ…

本に囲まれていた日々

この数年を振り返ってみると、引っ越しをして生活が大きく変わったことがあります。激しい台風で一人だけ最後まで住み続けていた集合住宅が痛んでしまって、そこを 退去しなくてはならなくなったのです。この引っ越しの作業はきついものでした。30年近い間に…

夏休みが終わり、「フランスを読む」も再開です!

YouTubeチャンネル「フランスを読む」は7月から、UPが滞っていました。原因は語り手の方々の多くが夏休みに入ってしまったことと、私自身も忙しくて毎回10分程度の動画とは言え、番組を制作する余裕があまりなかったことでした。YouTuber向けのアドバイス本…

河野太郎氏のコロンビア大学における講演と質疑応答を聞いて

昨日、自民党の総裁選の4人の候補者の討論を見ていました。河野太郎氏も候補者の一人でした。河野氏は安倍政権で閣僚になって、昔と異なるイメージになった、はっきり言えばあまり好ましくない印象を受けていました。しかし、この2017年の国連総会の際に立ち…

イラク戦争で死んだ人は2003年から(10年前の)2011年の時点で推定46万人

インターネットで知ったんですが、BBCの2011年の報道によると、2003年に米国のブッシュ大統領が起こしたイラク戦争で亡くなった人々は市民と軍人を合わせて推定46万人を超えたとありました。この統計調査にはワシントン大学、ジョンズ・ホプキンス大学などの…

棄権率の異常な高まりを前に、ついにフランスの市民が始めた候補者一本化 政治の主導権を市民が取り戻す試み <la primaire populaire >

先ほど書きました通り、「服従しないフランス」、共産党、社会党でフランスでは左派政党がそれぞれ大統領候補者を擁立する構えですが、それだと決戦に勝ち残れない~その結果、新自由主義のマクロン 対 極右のマリーヌ・ルペンの決戦となって、多くの人がう…

来年のフランスのW選挙、左派政党は逆風の中  フランスでも野党共闘が必要だ

先日、私は日本で新しい市民運動を立ち上げようと試みている左翼運動事務局の方から、フランスの左翼について教えて欲しいと言われました。私が話したのは、前回の2017年の選挙で社会党を含めて左派は大敗して、中道のマクロン新党がほとんど一人勝ちしてい…

「立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記」

宣伝ぽくなって恐縮ですが、今、コロナ禍の中、ZOOMを使って遠隔地同志の話し合いとか、コミュニケーションが加速してきていますね。新しい社交性が開拓されているわけですが、私が2016年の春から取材を始めたパリの「立ち上がる夜」という運動はパリの共和…

マッカーサー将軍VSトルーマン大統領  30~50発の核攻撃を主張する将軍を解任して中国への核攻撃を避けた大統領

最近、刺激的な本について知りました。「将軍 対 大統領」です。これは朝鮮戦争中に半島で米軍の指揮を執っていたマッカーサー将軍と米大統領のハリー・トルーマンの間の、中国への核攻撃を行うかどうかをめぐる葛藤の歴史書です。最終的にはトルーマンが核…

日本の総裁選を報じたニューヨークタイムズ 記事からは岸田文雄首相が誕生しそうに読めました

ニューヨークタイムズの総裁選報道で、一番興味深かったのは岸田文雄は自民党の古い権力者たちの支持があり、若手も含めてみんながボスたちの言いなりになって投票すれば総裁になる可能性ありとしている一方、河野太郎は新しい世代のはっきりものを言う政治…

caleçon か、slipか。カレソンか、スリップか。フランス語の下着の訳について。

フランス語に関心のない人にはどうでもいいことかもしれませんが、辞書に「私はスリップよりカレソンがいい」という例文が掲載されていまして、どちらも日本で言えば男性用の下着に相当するのですが、違いがよくわからなかったのです。 カレソンで検索したら…

音楽のない国  タリバンはなぜ音楽を抑圧するのか?

フランスのラジオ局RFIの記事ですが、アフガニスタンで音楽活動が一斉に禁止されたという話です。米軍が進駐する前の1996年から2001年までのタリバン支配時代は音楽活動が禁止だったそうで、今回もそうなるのではないかと2010年に開校した国立音楽学校の校長…

2025年がマリーヌ・ルペン仏大統領、トランプ米大統領、安倍首相のトリオになる可能性

2024年に米大統領選が予定されていますが、その時、トランプ大統領が復活し、安倍首相が再登板し、フランスのマリーヌ・ルペン党首が来年、大統領に当選していれば日仏米で極右政権が誕生することになります。彼らは1945年に作られた戦後レジームを壊すため…

ニューヨークタイムズのコラム「アフガンからの撤退がいけないことであるかのようなふりをするのはやめよう」

共感したコラムがこれです。ニューヨークタイムズのコラム「アフガンからの撤退がいけないことであるかのようなふりをするのはやめよう」。タリバンが勢力を挽回してしまったことをもってして、バイデン大統領を非難する人が多いのですが、現実を直視せよ、…

イグナシオ・ラモネ著「21世紀の戦争」  約20年の時を経て再読

イグナシオ・ラモネ著「21世紀の戦争」(Guerres du XXI e siècle) を最初に読んだのは2002年の刊行直後でしたので、かれこれ20年ぶりに再読しました。これは米軍が撤退してタリバンが勢力を挽回したことをもって、読みたくなったのです。20年前に何が書かれ…

ハンナ・アレント著「責任と判断」を読んだら、今こそカントの「判断力批判」が読み頃ではないかと

ハンナ・アレントと言えば「全体主義の起源」で知られるドイツ出身の米哲学者で、ナチズムとソ連のスターリニズムあるいは全体主義に関する研究で世界的に知られています。アレントは、その著作を読む前と読んだあとでは世界に対する視点がかなり違ってくる…

異様であることの意義

私は中学生の頃、TVで印象深い話を耳にしました。鮮魚をいけすに入れて長距離を陸上輸送する際、業者は1種類の魚の中に、1匹だけ違う種類の魚をわざと混ぜておくのだそうです。その異種の魚がいることで、多くの魚たちは緊張していて、身が引き締まったまま…

カブールの空港近くで米人を標的としたテロ発生 バイデン大統領が報復を予告

米軍を撤退させている最中、カブールの空港周辺で米軍を標的とした爆弾テロが発生し、米国人13人、アフガニスタンの市民60人が死亡しました。これを受けてバイデン大統領はいずれ報復するとTVで宣言したとされます。反抗はイスラム国(ISIS)のアフガン国内…

平野由希子著「『ル・クルーゼ』で、つくりたい料理」

平野由希子著「『ル・クルーゼ』で、つくりたい料理」を読みました。ル・クルーゼは、ご存じ、フランス企業が販売している琺瑯鍋(エナメル仕上げの鋳物)です。熱が伝わりやすく、また冷めにくい特徴があると言われていますが、私自身は残念ながらまだ持っ…

米失業率がまだ改善の余地のある真の理由とは? 経済学者ポール・クルーグマンの推察

全米の失業率は毎月、米国の労働統計局(BLS)が発表していますが、8月20日発表の数字では5.4%でした。これはまだトランプ大統領時代でCOVID-19の影響の出ていなかった2020年初頭の4%未満と比べると少しだけ高い数字です。数字だけ見ると、もう少し失…

OnlyFansのポルノ論争  

私はこの記事を読むまで知らなかったのですが、英国発のデジタルメディアのプラットフォームとしてOnlyFansというのがあり、市民が自分の動画などをUPしてそれに対して視聴者がクレジット払いでお金を払って視聴すればOnlyFansの運営企業が手数料20%を差…

NY市長選 民主党候補者は黒人で警察官出身のエリック・アダムズ氏に

4月ごろ、ニューヨーク市長選について書いた時、トップを走っていた台湾系のアンドリュー・ヤン氏は途中で脱落し、ニューヨークタイムズが一押しだったニューヨーク市の保健衛生分野の行政官だったキャスリン・ガルシア氏も決戦で黒人で警察官出身のエリック…

タリバン支配に復帰したアフガニスタン:フランスの哲学者Mathieu Potte-Bonneville氏が見るフランスの言論

フランスの哲学者マチュー・ポット=ボンヌヴィル(Mathieu Potte-Bonneville)氏が今、世界で話題になっているアフガニスタンに関して、SNSで次のようなコメントを発信しています。 Jusqu'ici, en France, les contempteurs de "l'islamo-gauchisme" et de …

一人は万人のために 万人はワシのために

権力は腐敗する傾向があるという、英国のアクトン卿の言葉があります。「絶対的な権力は絶対に腐敗する」、という言葉があります。旧体制だけでなく、本来、民衆のための社会体制だったはずの旧共産圏でも同様でした。「一人は万人のために、万人はワシのた…

「サルコジ カダフィ」

「アラブの春」の際に、フランスなどがリビアの反政府勢力に一方的に肩入れした結果、カダフィ政権が崩壊後、国内にイスラム原理主義勢力(ダエシュ)が跋扈するなど、リビアは10年に渡る内戦に突入してしまいました。フランスの大統領は当時はサルコジでし…

リビアの代理戦争  アフガニスタンを見る前に、この惨状を知っておくべき

proxy(プロキシー)という言葉は、代理という意味で、proxy war =「代理戦争」という風によく使われます。ここで書きたいのはアフガニスタンではなく、リビアです。リビアでは、「アラブの春」を、フランスや米国などが一気にカダフィ政権討伐の機会に利用…

バイデン大統領のアフガニスタンに関するスピーチ 

バイデン大統領の月曜日のアフガニスタンに関する声明を聞くと、タリバンに陥落させられたとしても覚悟の上の撤退政策だったことがわかります。つまり、20年続けてきて前進できなかったなら、もう不可能である、ということです。9・11の首謀者への処罰も…

江戸時代の女性と現代

私の尊敬しているジャーナリストの方が発信した日本の女性の地位に関する言説に少し異論があり、書きづらくはありますが、違和感を抱いた点について。その方は、今の日本における女性への差別の現状について書かれていて骨子自体は同感なのですが、しかし異…

ノンフィクション映像の歴史

この数年、いろんな人と仕事を通して「ドキュメンタリーとは?」とか、「映像とは?」みたいな話をすることが何度かありました。それぞれの好きなドキュメンタリー番組とか、自分の頭にあるTVの形が話に出てくるのですが、大上段なテーマ設定の割には具体的…

美味しいコーヒーの店に

このところ、英字新聞も仏字新聞を読む余裕がなくなってしまっていました。そういうこともあって、ブログもお休みを続けてしまっています。秋が近づき、また少し余裕が出てくれることを祈っています。 最近、近所に喫茶店が少なくなり、あったとしてもチェー…