Entries from 2021-08-01 to 1 month
2024年に米大統領選が予定されていますが、その時、トランプ大統領が復活し、安倍首相が再登板し、フランスのマリーヌ・ルペン党首が来年、大統領に当選していれば日仏米で極右政権が誕生することになります。彼らは1945年に作られた戦後レジームを壊すため…
共感したコラムがこれです。ニューヨークタイムズのコラム「アフガンからの撤退がいけないことであるかのようなふりをするのはやめよう」。タリバンが勢力を挽回してしまったことをもってして、バイデン大統領を非難する人が多いのですが、現実を直視せよ、…
イグナシオ・ラモネ著「21世紀の戦争」(Guerres du XXI e siècle) を最初に読んだのは2002年の刊行直後でしたので、かれこれ20年ぶりに再読しました。これは米軍が撤退してタリバンが勢力を挽回したことをもって、読みたくなったのです。20年前に何が書かれ…
ハンナ・アレントと言えば「全体主義の起源」で知られるドイツ出身の米哲学者で、ナチズムとソ連のスターリニズムあるいは全体主義に関する研究で世界的に知られています。アレントは、その著作を読む前と読んだあとでは世界に対する視点がかなり違ってくる…
私は中学生の頃、TVで印象深い話を耳にしました。鮮魚をいけすに入れて長距離を陸上輸送する際、業者は1種類の魚の中に、1匹だけ違う種類の魚をわざと混ぜておくのだそうです。その異種の魚がいることで、多くの魚たちは緊張していて、身が引き締まったまま…
米軍を撤退させている最中、カブールの空港周辺で米軍を標的とした爆弾テロが発生し、米国人13人、アフガニスタンの市民60人が死亡しました。これを受けてバイデン大統領はいずれ報復するとTVで宣言したとされます。反抗はイスラム国(ISIS)のアフガン国内…
平野由希子著「『ル・クルーゼ』で、つくりたい料理」を読みました。ル・クルーゼは、ご存じ、フランス企業が販売している琺瑯鍋(エナメル仕上げの鋳物)です。熱が伝わりやすく、また冷めにくい特徴があると言われていますが、私自身は残念ながらまだ持っ…
全米の失業率は毎月、米国の労働統計局(BLS)が発表していますが、8月20日発表の数字では5.4%でした。これはまだトランプ大統領時代でCOVID-19の影響の出ていなかった2020年初頭の4%未満と比べると少しだけ高い数字です。数字だけ見ると、もう少し失…
私はこの記事を読むまで知らなかったのですが、英国発のデジタルメディアのプラットフォームとしてOnlyFansというのがあり、市民が自分の動画などをUPしてそれに対して視聴者がクレジット払いでお金を払って視聴すればOnlyFansの運営企業が手数料20%を差…
4月ごろ、ニューヨーク市長選について書いた時、トップを走っていた台湾系のアンドリュー・ヤン氏は途中で脱落し、ニューヨークタイムズが一押しだったニューヨーク市の保健衛生分野の行政官だったキャスリン・ガルシア氏も決戦で黒人で警察官出身のエリック…
フランスの哲学者マチュー・ポット=ボンヌヴィル(Mathieu Potte-Bonneville)氏が今、世界で話題になっているアフガニスタンに関して、SNSで次のようなコメントを発信しています。 Jusqu'ici, en France, les contempteurs de "l'islamo-gauchisme" et de …
権力は腐敗する傾向があるという、英国のアクトン卿の言葉があります。「絶対的な権力は絶対に腐敗する」、という言葉があります。旧体制だけでなく、本来、民衆のための社会体制だったはずの旧共産圏でも同様でした。「一人は万人のために、万人はワシのた…
「アラブの春」の際に、フランスなどがリビアの反政府勢力に一方的に肩入れした結果、カダフィ政権が崩壊後、国内にイスラム原理主義勢力(ダエシュ)が跋扈するなど、リビアは10年に渡る内戦に突入してしまいました。フランスの大統領は当時はサルコジでし…
proxy(プロキシー)という言葉は、代理という意味で、proxy war =「代理戦争」という風によく使われます。ここで書きたいのはアフガニスタンではなく、リビアです。リビアでは、「アラブの春」を、フランスや米国などが一気にカダフィ政権討伐の機会に利用…
バイデン大統領の月曜日のアフガニスタンに関する声明を聞くと、タリバンに陥落させられたとしても覚悟の上の撤退政策だったことがわかります。つまり、20年続けてきて前進できなかったなら、もう不可能である、ということです。9・11の首謀者への処罰も…
私の尊敬しているジャーナリストの方が発信した日本の女性の地位に関する言説に少し異論があり、書きづらくはありますが、違和感を抱いた点について。その方は、今の日本における女性への差別の現状について書かれていて骨子自体は同感なのですが、しかし異…
この数年、いろんな人と仕事を通して「ドキュメンタリーとは?」とか、「映像とは?」みたいな話をすることが何度かありました。それぞれの好きなドキュメンタリー番組とか、自分の頭にあるTVの形が話に出てくるのですが、大上段なテーマ設定の割には具体的…
このところ、英字新聞も仏字新聞を読む余裕がなくなってしまっていました。そういうこともあって、ブログもお休みを続けてしまっています。秋が近づき、また少し余裕が出てくれることを祈っています。 最近、近所に喫茶店が少なくなり、あったとしてもチェー…
昨年5月に出版した拙訳による「もう一度・・・やり直しのための思索」を1年以上の時を経て再読してみました。著者は哲学者のマチュー・ポット=ボンヌヴィル氏です。フランスではミシェル・フーコーの研究者として著名ですが、同時にポンピドーセンターで文…