「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

コロナ禍での食生活の変化 

  新型コロナウイルスで昨年4月、フランスに続いて日本でも緊急事態宣言が出され、巣ごもり生活が始まりました。私も海外ロケが中止というか無期限に延期となり、自宅待機状態となりました。今思えばコロナ禍で私の食生活も大きな変化を受けたことがわかります。コロナ禍では自宅にいる時間が増え、食事を作ることもできるので、コンビニ弁当あるいはスーパーでも弁当を買ってそのまま食べる、ということが激減しました。おにぎりでも炊飯器でご飯を炊けばそれに塩を振って海苔をまけばおにぎりになります。お金が節約できる、という以上に、店舗で販売されているサンドウィッチやおにぎりの常識に縛られていたことに気がついたことが大きかったと思います。家で自分で作って食べるということは商品規格の縛りから解き放たれて、具材でも塩加減でも自由にできるということです。それは満足度を高めてくれるのです。

 たとえば西東社から出ている大庭英子著「パンでごはん」は様々なサンドイッチ類やホットドッグなどを軸に、自宅でできる個性豊かなパンの食べ方を提案した本で、コロナ禍で活用できる一冊でした。「えびとアボカドのサンド」や「ツナマヨ&レタスサンド」、そらからトーストにトッピングする「ごきげんボリュームアップディップ」など、今まで店で買わないと食べられないと思い込んでいた惣菜つきのパンが自宅でできることが納得できます。

  こうした個々の家庭での食生活の変化は当然、食品業界や流通業界に変化を及ぼします。リモートの仕事で自宅での食事が増えていることが、実際にどの程度の影響を及ぼしているかを見るために日本フランチャイズチェーン協会の統計を見てみましょう。

https://www.jfa-fc.or.jp/particle/320.html

 ここに同協会に加盟しているコンビニ約56000店の平均値が示されています。2020年で見ると、年間売上高はマイナス4.5%、来客人数はマイナス10.2%と顕著に減少を示しています。ただ客単価はプラス6.4%となっています。日本フランチャイズチェーン協会では次のように総括しています。

「背景には、新型コロナの感染拡大による外出自粛・在宅勤務が続き、オフィス街や観光地の店舗の来店客数に影響を及ぼしたことが考えられる。一方、生活様式の変化(買物回数の減少、自宅での食事機会の増加、人込みの回避等)により、生鮮食品、惣菜、マスク等の衛生用品の売上が好調だったことに加え、冷凍食品、酒類等のまとめ買いや、GoTo キャンペーンの効果等から、客単価は上昇した。」

 ワクチンの接種が世界でも日本でも始まり、どの程度、復旧が進んで行くのかまだわかりません。しかし、リモートの働き方や食生活が一度浸透した社会が、そのまま昔に戻ることはないように思えます。自宅で自由に作ってみる、ということが「安さ」以上に、「楽しい」に結びついている可能性があります。そして、その「楽しい」は安さを越えて、<もっと食にお金をかけてもいい>、につながる可能性を秘めています。コンビニには、新しいサービスを作る大きなチャンスが目の前にあります。