「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

COVID-19禍でホームレスが増えたニース  

  ニースと言えば豪華なサラダ「サラダ二ソワーズ」でも知られ、地中海に面し、風光明媚で豊かな街の印象があります。しかし、リベラシオンにニースでホームレスが増えているという記事が出ていました。COVID-19(新型コロナウイルス)による経済の悪化に起因しています。真冬の2月21日にニースの16の市民組織、130人のボランティアが市内のホームレスの実態調査に乗り出し、その日、324人の存在が確認されたとのこと。その半数は1年前はホームレスはなかったということですから、160人近くが新型コロナウイルスによる失業や倒産で住まいを失ってしまったことがわかります。

 これら市民グループ群はそれぞれ温かい食事などを用意して配っていたそうですが、今は6月を心配しているとのこと。というのは、経営難から支払い停止措置を要請して時間の猶予が与えられていた企業や店などの負債の束の法的整理が今後始まるためらしく、それによって様々な困難に直面する人が新たに出てくることが予想されるからだそうです。連鎖倒産と言う言葉もあるように、債務不履行の山がさらに経済を悪化させていく可能性があります。

https://www.liberation.fr/societe/logement/a-nice-ici-les-pauvres-sont-plus-pauvres-quailleurs-20210404_2AWGQYGX2FC4TOOISJJXSMU44Q/

  このニースに関する記事の中に出てくる組織の1つ,「連帯 06」については仏メディアの「20minutes」が2019年に記事を書いていました。2年前に発足した市民組織です。日本にも「ビッグイシュー」という雑誌をホームレスが売って利益を生活に役立てる仕組みがありましたが、連帯06もそれと似た活動をしているようです。記事によると、1万部の月刊誌「ホームレス06」を印刷してホームレスには1部0.01ユーロ(1.3円)で買ってもらい、それを2ユーロ(約260円)で再販売してもらい、その差額の収益はすべて生活費に当たてもらうという仕組みです。記事は政治と宗教だけは除外して、その他のテーマは何でも扱っているとのこと。これを立ち上げたのは4人の市民だったと記されています。

https://www.20minutes.fr/nice/2655939-20191125-nice-quatre-amis-lancent-abri-06-magazine-rue-vendu-sdf

  ニースと言えば極右の市民が比較的多い都市だと聞きます。政治や宗教を扱わない理由の一端はそんなところにあるのかもしれません。この連帯06のリーダーの女性(Tanja Jakic氏)は先ほどのリベラシオンの記事の中で、かつてはホームレスと言えば年季の入った人たちだったが、昨年来、普通の人が加わってきたと語っています。