「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

イエレン米財務長官が多国籍企業の税逃れを封じる政策を宣言 「グローバル・ミニマム・タックスレート」(世界最低課税率)を提案

edition.cnn.com

  今、バイデン大統領のもとで大規模な公的なインフラ投資計画が作られつつあります。その財源は法人税率の引き上げ(21%→28%)ですが、さらにジャネット・イエレン財務長官が海外に利益を付け替えて米連邦の税を回避してきた多国籍企業からも税の取りはぐれがないように画期的な提案を行いました。これは民主党のロン・ワイデン上院議員オレゴン州)らが米議会で提案しているものと同じです。労働者を守るために最低賃金が定められているように、国家財政を守るために世界で多国籍企業に対する最低課税率を定めようというのです。本部がどこの国にあろうときっちり税金を取る、という宣言です。これによって、企業誘致のために課税率を低くしてきた国々を封じ込め、それらの国々がこのルールに従わなければ様々な制裁措置が発令されるのではないでしょうか。もしこのアイデアが実現すれば、財政面で大きな変化が生まれるはずです。

 グローバルな最低課税率が発効したら、税率の安い国に本部を据えてきた企業群は経営方針を変更せざるを得なくなるでしょう。米国はさらに海外に出た米企業の米国内への帰還を促すために、税制上のインセンティブなどを含めて様々な措置を取る模様です。この税金は大統領のインフラ投資、ひいては人種間の格差解消の土台となる財源ですから、米政府は本気でやるのではないでしょうか。