今朝、ニューヨークタイムズで報じられたイエレン米財務長官が多国籍企業の課税逃れを封じるためのグローバルな最低法人課税案を紹介しました。では欧州のルモンドはどう報じたか。
L’administration Biden lance le combat pour une taxation minimale des multinationales
(バイデン大統領のホワイトハウスは多国籍企業に最低法人税を支払わせるための闘いに着手)
ルモンドの記事はニューヨークタイムズの報道と基本線は同じなのですが、面白みはオバマに言及していることです。
<La force du mouvement américain n’est pas à sous-estimer : c’est Barack Obama qui lança réellement la chasse aux paradis fiscaux, en cassant le secret bancaire suisse dans la foulée de la crise financière de 2008 – les banques suisses n’avaient pas le choix si elles voulaient pouvoir opérer sur le territoire américain.>
(米政府の力を過小評価してはならない。(多国籍企業や富裕層の)税の楽園への課税逃れを本当に摘発しようとしたのはバラク・オバマだった。2008年の金融危機に続いてスイスの銀行の秘密のベールをはがしたのである。米領土で営業活動を続けたければ、スイスの銀行群に選択の余地はなかった)
バイデン大統領はかつてオバマ大統領の副大統領だったわけで、オバマの名前がここで出てくるのはオバマの影がこの政策にも感じられること重なります。オバマ大統領は8年間ホワイトハウスで働きましたが、やり残したこともありますし、トランプ大統領に覆されたこともあります。ですから、そうした課題を継続して解決していこうと、バイデン大統領の裏方で活動しているのではないでしょうか。
ルモンドでは今後、バイデン大統領が率いるホワイトハウスは国内と国外で、この政策を進める段階に入るとして、ここからが決定的に重要であるとしています。まずは米国がいわゆるGAFAなどの自国の多国籍企業に対して、きちんと課税するのかどうか。それがなかったらG20の国々は協力しないでしょう。ホワイトハウスが目指す、このグローバルな最低法人課税率は利益の21%のようです。