「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

フランスでは1993年から2018年まで10万3千の病院のベッドを削減 コロナ禍が直撃

  先ほどフランスの財政赤字拡大について書きましたが、今回が新型コロナウイルスが最大の要因であるだけに、医療体制と経済の関係が問い直されています。というのは、フランスで緊急事態宣言についで外出禁止令が出された時に、何を考慮に入れていたかと言えば地域地域の病院の空きベッド数でした。要するに病院の空きベッドが一定数未満になると、人命の危機になるために、外出禁止措置を取って何が何でも封じ込める体制を敷かざるを得ませんでした。ですから、各地の病院の空きベッド率が刻々と報じられていたものです。

https://www.francetvinfo.fr/sante/maladie/coronavirus/hopitaux-la-suppression-des-lits-operee-depuis-les-annees-1990-inquiete-les-professionnels-de-sante_4170777.html

  上のfranceinfo(昨年11月に掲載)はこの問題を映像で報じていますが、冷戦終結後、フランスでは医療費削減のために医療従事者とベッド数をずっと削減してきたらしく、1993年から2018年まででは削減された病院のベッドの総数は10万3千に及んでいます。当局では入院期間の短縮化(過去40年間で3分の1に)がその理由だと説明しています。

 しかし、このベッドと医療従事者の削減こそが新型コロナウイルス感染対策を困難にし、外出禁止令をとらせた原因と言って過言ではありません。そして、それが経済の危機を悪化させてもいます。皮肉ですが、公的支出削減の措置によって、こうした事態に財政赤字拡大の元凶になっているのです。このfranceinfoで見出しがついていますが、病院のベッドの充足率は95%が適当だと国の医療担当大臣が考えているようですが(つまりベッドの空きは5%しかない)、実際の病院の医師たちによると、それでは新型コロナウイルスのような緊急事態に対処できないとしています。