「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

語学の参考書が学生の妨げになることもある  辞書が最良の参考書

  泥縄式というよりむしろ順序が逆なのでしょうが、昨年、フランスの哲学エッセイを初めて翻訳書として出したことでいろいろ反省したり、学んだりしたことがありました。まずは単語と動詞活用の大切さを今更ながら思い知ることになったことです。これは文章の解釈以前の基礎体力になるわけですが、翻訳をやったことで自分の単語力がまだまだ足りないことに気づきました。まず、単語力がつけばつくほど翻訳は楽になりますし、それだけでなく聞き取り力にも大きく影響することに気づきました。翻訳のプロとして活動するとしたら、単語力は絶対につけなくてはなりません。

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昨年、勉強したフランス語の単語ノート 

  上の大学ノートは翻訳書を刊行した昨年5月から始めたもので、フランス語の辞書の単語を手書きで書き写しています。写真では11冊までありますが、今は14冊目になっています。1冊でだいたい700語~1000語近く書いています。単語は辞書を引くと、意味がたくさん掲載されていて、それぞれ例文が載っています。それらを上から下までできるだけ忠実にノートに書き写しています。といってもAから順番にやるのではなく、アトランダムにやりながら、書き写したところは黄色い蛍光ペンでマーキングして少しずつ辞書を塗りつぶすプロセスです。まずは辞書の中の重要語である赤字のものを中心に塗りつぶしています。私が使っている旺文社の「ヌーボープチロワイヤル」辞書だと、赤字は全部で11870語ほどになります。黒字は約27000語です。ですから、まずはこの11870語を固めることから、再学習を始めました。当時私は55歳だったのですが、私の父が定年退職した年に、息子の私は将来に備えて、まるで大学生のような勉強をしているわけです。

   この再学習を始めて、くっきりとわかってきたんですが、語学の参考書というものは確かに役に立つ反面、学習の邪魔をしている側面もあるのではないか、ということです。つまり、学習参考書で書かれている文例とか、構文とかは辞書に比べたら大海の一滴に等しいのですが、参考書を学んだらなんかもうかなり勉強したような気持になるわけですね。でも全然、それではへの河童にもならない量なのです。それより、辞書をしっかり読む、丸写しする、声に出して読むと言った辞書を中心にした学習の方がはるかに効果があるのではないか。そう思うようになりました。翻訳を手がける前は辞書の意味でも10あるうち、上から3つほど知っていれば十分位に感じていましたが、今は10全部なるだけ覚えようとしています。でないと、訳語がそれで本当に良いのか確信が持てないのです。このことはフランス語だけでなく、英語にも当てはまると思います。学校の先生は学生に辞書をしゃぶり尽くすくらい徹底活用することをもっともっと推奨してほしいと思うのです。