「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

米極右の議会潜入の先駆?  昨年8月のドイツ極右の議会乱入 ナチス以来初めて

 今年1月に米国の議会に極右が乱入して死者も出した騒乱がありました。昨年8月にはドイツでも同様の事件が起きていました。以下はドイツの公共テレビDWの映像です。

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  番組で解説したコメンテーター はまず、彼ら(政府批判運動をしていた極右の人々)はマスクをしていないと言っていましたが実際に映像を見るとそれがわかります。ということは、新型コロナウイルスの政策に不満があることを物語っているのでしょう。 警察が彼らがマスクをしていないことと、人との間に一定の距離を取っていないことで抑え込もうとしたときに、怒りが爆発して議会に突入しようとしたようです。

 私は2014年春に台湾の学生の議会占拠を取材したことがありますが、あれはむしろ非暴力の民主主義運動と見ています。2011年にニューヨークで始まった「ウォール街を占拠せよ」以来の主に左翼による非常的政治手段と見ていました。議会が民衆の声を代弁していない、というのがその動機にあります。

 そして、昨年から極右が議会占拠を実行し始めたことには注目しています。ドイツのケースも米国のケースも大きな政治の変化にはつながっていませんが、こうした小さな運動を過小評価してはいけないと思います。台湾の2014年春のひまわり運動は2016年には総選挙で野党・民主党の大勝利という形で結実していきました。大衆の中に眠っていた隠されていた欲望を意識させ、火をつけることがありえます。極右の人々の中の不満には根っ子があり、それを本当に解決する道を政治や経済で示さなくては、ますます極右の勢力は拡張していくでしょう。政治家や議会はもう意味がない、という思いが極左と極右あるいは左と右と両方から起きて議会占拠やオキュパイ運動を生んでいることは現代の政治の大きな課題です。

  以下はオランダの公共放送VPROのドキュメンタリー番組(2018年)で、ドイツの極右を描いています。ナレーションは英語ですがインタビューの部分は英語ではありません。最近ドイツでは若くて教育水準の高い極右運動家が生まれてきていると言っています。

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  下は同放送局による2016年のドキュメンタリー番組で、こちらもドイツのオルタナ右翼を描いています。オランダはナチスドイツに占領されていますから、ドイツの極右運動は他人事では済まされません。

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  以下は再びドイツの公共放送DWのドキュメンタリーです。シリアからの移民である女性キャスターが極右政党AfD(Alternative für Deutschland;ドイツのための選択肢)が大幅に投票を集めたサキソニーザクセン、東部の州)訪ねて、人々に本音を聞き出していきます。興味深い番組です。AfDは2019年の州議会議員選挙(全119議席)で首位のキリスト教民主同盟45議席に対し、38議席と堂々の2位に台頭しています。

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