「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

昨年5月のミネアポリスの黒人殺害の警察官に陪審が有罪判決

 昨年5月にミネソタ州ミネアポリスで起きた警察官による黒人殺害事件に関して、陪審が有罪判決を下したと報じられています。この事件は路上に腹ばいに組み伏せられた黒人のジョージ・フロイドさんの首にデレク・ショーバン警察官が膝を9分以上あてて心肺停止させたものです。この事件が特に大きな話題になったのは一人の通行人の女性がスマートフォンでその様子を撮影してSNSで公開したことでした。

 «Les Américains noirs, particulièrement les hommes noirs, ont été traités à travers ce pays comme s’ils n’étaient pas des hommes, a lancé l’ex-sénatrice. Nous devons encore réformer le système.»

  副大統領で黒人のカマラ・ハリスは「米国の黒人は、とくに黒人男性は米国のどこであろうと人間ではないかのような扱いを受けてきました。私たちはさらにシステムを改革しなくてはなりません」と語ったとリベラシオン紙には書かれています。また、オバマ元大統領もツイッター陪審を讃えたことが記されています。リベラシオン紙はビル・クリントン元大統領の言葉まで引用しているのですが、その先に昨年、現職の大統領だったドナルド・トランプはメッセージを出していないと綴っています。

  あの時、私も映像を見ましたが、大きな衝撃を受けたのを覚えています。それは警察官がスマホでされていることを知りながら、「息ができない」とうめいているフロイド氏への圧迫を一向やめる気配を見せなかったからでした。あの時、警官だったショーバン氏の胸の中にあった感情の実像は何だったのか、そこを知りたく思います。

 ルモンド紙はもっとシンプルな記事ですが、殺人の有罪判決を受けた元警察官が手錠をはめられた後ろ姿の写真を掲載しています。これはこれで、ある種のインパクトがあります。

    以下は再びリベラシオン紙。有罪判決を受けた各地の黒人市民の反応を写真で示しています。写真がすべてを語っているとはこのことでしょう。

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