私は今、YouTubeチャンネルを始めて、技術的にも、演出的にも、インディペンデントとしては始めたばかりの試みですが、いつか2~3人の同業者と映像会社を作ってみたいという思いがあります。本当に同じ情熱や志、信念をもって信頼し合える関係の中で仕事ができる場を持つことができたらどんなによかろう、と思うのです。人間としてはあまりにも当たり前かつささやかな願いでしょう。CMみたいなものでも、ドキュメンタリーでも、ドラマでも映像に関するものであれば何でも挑戦できるような会社を作って見たいものです。
1990年代の駆け出し時代に私は毎月、「広告批評」という媒体を愛読していました。そこでは30秒とか、1分とかのCMのカットごとの写真がつけられて、どんな映像なのか、その組み立てがCMごとに書かれていて、しばしばコピーライターやら監督やらカメラマンやらのインタビューが掲載されていました。短い映像を作ることの面白さを「広告批評」は伝えていて、時々、カンヌ映画祭のCM部門の優秀作品もDVDの付録付きで出ました。そういうのを見るのはとても楽しみでした。「広告批評」はなくなってしまったわけですが、あれを読んでいた時のように映像の表現に情熱をかけて仕事をしたいという思いが強まるばかりです。
ですから、今後は仲間集めとか、どうやって収入を得ていく仕組みを作るのか、銀行とどう関係するのか、さらに何を創るのか、また、市場的には何が求められているのかといったことが実際的なテーマになっていくでしょう。今やっているYouTubeチャンネルは完全なボランティアですが、将来的にお金が何がしかでも得られるなら得て、たとえ少額ずつであっても画面に登場いただいている語り手の人たちと分け合えたらと思っています。
※伝説となっている私の好きなCM