カリフォルニアを歩いたことはありますか?僕は大学時代の2年生の夏休みにグレイハウンドバスの1か月の周遊券(乗りっぱなしできる)を2か月分買い込んで大学の友人と北米探検に繰り出しました。7月の頭に伊丹の関西国際空港を発って、到着したのはロサンゼルス。初めての外国旅行、当時21歳だった僕は期待やら恐れやらでドキドキしました。アメリカの西海岸に立ってみると、すごく気持ちがいいんです。公園の規模も桁違いに広大で、森林の中の道路で、ローラースケートをする人がたくさんいます。とにかく横に広大に土地が広がる感じが僕にはたまりません。サンフランシスコもそうですが、シアトルとか、サンタモニカなども最高に気持ちのいい場所です。そこから荒波の打ち寄せる太平洋を隔てた日本の方向を見つめたものでした。その後、TVの仕事をするようになってIT産業の取材などで西海岸に行くと、現地の日本人撮影クルーにはサーファーがたくさんいることを知りました。千葉や七里ガ浜などでサーフィンをしているうちに米西海岸の波に惹かれて移住するカメラマンが何人もいるのです。彼らは現地で結婚して子供までいます。とても健康的です。心も寛大な感じです。
でも、ナンシー・シナトラのこの曲を聴いていると、どこか悲しみが漂っています。なぜかカリフォルニアの音楽は明るいけれど、哀調が底流にある曲が結構ありませんか?サーファーの出てくるハリウッド映画なども、最高の波に賭けて、やがて、その夏が終わって、ある種の青春の終わりをイメージさせるのです。あるいはある時代の終わりと言いますか。