「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

バイデンを勝利に導いた2020の選挙宣伝動画

   アメリカの最大の人気者のYouTuberの動画を見たら、100万回程度の再生回数は少ないように見えますが、それはYouTubeでクリックされた数だけで、各地のローカルTV局などでも動画は流されたはずです。この2分間の動画は本ブログで前から書いていますが、大成功したオバマの演説術を引き継ぎ、アメリカの伝統と、人種やジェンダーの違いを超えた「1つにまとまったアメリカ」に落とし込んでいます。それとバイデンの過去に家族を失った個的な経験を盛り込み、想像力と思いやりを持った政治家が新型コロナウイルスに打ちひしがれたアメリカに必要であることをアピールしています。さらには民衆が暴君と戦った伝統を語る時にちらりと一瞬、トランプ大統領のカットを残像のように挿入している手際も鮮やかです。タイトルの「Keep Up」は先端の動きに追いついていくという意味もありますが、同時にくじけるなというメッセージでもあります。

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 以下の動画はバイデンのYouTubeチャンネルの中の1つです。昨年の4月にバーニー・サンダースが白旗を掲げ、バイデンがほぼ公認されたに等しい時に、バーニー・サンダースとの対談をリモートで行って流しています。民主党は2016年の選挙ではサンダース陣営とヒラリー・クリントン陣営で敵対感情が残り、サンダースはともかく、サンダースの応援者たちの中にはヒラリーに入れない人もいました。しかし、昨年の場合はサンダースの掲げた旗をバイデンが引き取り、民主党を1つに合流させる形で本選に臨みました。これが民主党を1つにまとめ勝利に導いたものでした。実際、バイデン自身が3月から4月にかけて大きく変化した印象を私は持ちました。この35分の動画の中でバイデンは妻が教育学者であることを示し、コミュニティの大学の学費を無料にすると言った話をしています。今、実際にバイデンは2年間に限ってですが、コミュニティにある大学の学費の無料化を打ち出しています。「1つのアメリカ」というメッセージを実現させることができたのは分裂しかけた民主党内を「1つ」にまとめるという難しいプロセスを乗り越えて初めてできたことでした。1つにまとまったアメリカ、というメッセージが極右政治家を打ち破る最大のキーワードになったのです。

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