ニューヨークタイムズ紙版を購読していた頃、新聞の最後のページにはよく料理の記事が1枚全部をほとんど飾っていて、その料理の豊富な写真群が、見ているだけで楽しく感じられたものでした。しかしながら、同時にあまりしっかり読んだ記憶もなかったのです。多分、それは自分が料理をほとんどしなかったからでしょうし、(ハイクラスのA級グルメ)レストランにもさしていかない人間だったからでしょう。
ところが昨年以来、巣ごもり生活の間で、料理を作ることが増えて、料理本を20冊くらい手に取って読むようになると、だんだん食にまつわる知識も増え、細かい技術的なことや食材など、かつてないほど興味が湧いてきました。そういうわけで、料理の記事はこれから私がニューヨークタイムズで初めて体験する世界となります。ニューヨークのビジネスマンやグルメ、あるいは庶民がどんなものをどんな風に食べているのか。どんなレストランがあり、どんなシェフがいるのか。どんな料理が今、流行っているのか、などなど興味深いです。今日読んだ記事ではミシュランの星を持っている最高峰のニューヨークのシェフが自分のレストランを新型コロナウイルスによる閉鎖から、再開するにあたって、今までの肉料理をすべてやめてベジェタリアンに一新すると言っていたのは驚きでした。記事の中では肉料理は格差を反映しており、もうそういう形の贅沢は目指さないのだ、と。今後は贅沢の形が変わっていくという話も出ていました。料理の手引書は1年間結構読みましたが、料理の記事となると、どんなことがテーマになるのか、そこが最も興味深いところです。これからはニュースの三角測量ならぬ、料理の三角測量も大いにやってみたいと思います。
レシピも多数出ていて、ダウンロードできるのです。こういうのはやはり購読者へのサービスです。