すでに第二外国語、第三外国語をプロフェッショナルとして、あるいはそれ並みにされている方もおられるかと思うのですが、この文章はそうではなくて英語オンリーになっている方々に向けて書かせて頂きたいと思います。昔の語学の参考書には1か月で独習というタイプのものが結構あり、現在もイタリア語やスペイン語、フランス語などでも同じ方法論のものが少なくありません。この1か月という期間は語学習得にはあまりに短いと思われるでしょうが、これらの参考書では基本文系と代表的な動詞の活用のみ扱っています。ですので、1か月でできるのです。
このことは多分、あまり認知されていないのだと思うんですよ。というのも英語でも中学校から大学まで10年近くかけていますから、まさか1か月で基本が終わるという風に思えるわけがないんですが、実際には基本文法は1か月で十分なのです。あとは単語や動詞の活用などこまごました枝葉をどこまで広げて行けるか、というだけ。やればやるだけ実力は上がっていきます。ですから、人によって能力に違いはありますが、最初の基礎文法の知識があれば辞書さえあれば新聞も原理的には読めるのです。ですから、英語教育で受けたトラウマから解放されることが必要なのです。
英語も満足にできないのに、フランス語どころじゃないな、と私も大学を卒業して10数年思っていましたので、大学で第二外国語で学んだフランス語も全然復習せず、忘れるがままでした。でも英語が完璧にできないと第二外国語をやれない、という風に発想したら永遠にできないでしょう。語学をゼロか、100点かという風に考えず、段階がいろいろあってもいいですし、その階段を自分のペースで昇っていくのみです。
私は学生時代に日商岩井の松本道弘氏の「give と get」という本で英語を学ぶのが非常に楽になった思い出があります。英語のコツがこのgiveとgetを習得することで、この2語でかなりの英語表現ができるし、この2語に英語が集約されているというのが松本氏の考えでした。シンプルではありますが、確かに割と表現ができてしまうところがあります。
しかし、このgive とgetに安住しているといけませんね。そのことに気づいたのはかなり遅かったのですが、この数年のことでした。giveと getでも表現できるとしても、そういう英語は中学生くらいの英語であって、大学を出た人々が使うワーディングができなければグレードの低い英語を使う人だと思われてしまいます。映画「マイフェアレディ」のように、同じ英語でも使用単語1つで、どのくらい教育を受けた人かが推測されてしまうのです。ですので、そういうワーディングを意識して身に着けていくことが後々必要になりますが、それはフランス語などでも同様かと思います。初期の文法や単語でそこそこ文通くらいはできても、もっと本格的なコミュニケーションを目指すとなると、単語力が必要になってきます。今、私が努力しているのも単語の習得です。もう56歳といい年のおっさんです。英語とフランス語、両方大学ノートを使って辞書で学んだ単語をコツコツ書き記しているんです。
で、そのワーディングですが、私は米国留学歴がないので、ワーディングの水準の感覚が日常感覚としてないんですね。ですので、実は先日、米大学のオンライン講座で無料のものに登録しました。カリフォルニア大学やヒューストン大学、スタンフォード大学などの教授陣が連続講義をしているのを無料で聴講できます。私が登録したのは割とインド人の学生向けにまとめられたものみたいですが、それは恐らくインド人の優秀な学生を将来、米企業にスカウトしたいという下心もあるのではないかと思います。いずれにしても講義を聴けば、そこで話されている英単語を耳にして、それを意識できる良い機会になりますね。私はこのオンライン講座で英語のワーディングの底上げをしたいと思っています。