「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

「銅は景気を知っている」  ロンドン金属取引所(LME)の銅価格は昨年の低迷から右肩上がりに反転上昇中 史上最高値に近づく

  「銅は景気を知っている」という投資家たちの間で知られたことわざがあるのだそうです。銅価格が上がっていく時は経済が好景気に向かっていることを意味する言葉です。銅は住宅建設や製造業の生産、公共インフラで使われる金属で、しかも供給が安定していることから、物価変動の影響をあまり受けないからだそうです。このことは私のネタ源の1つである「<ウォールストリート・ジャーナル式>経済指標 読み方のルール」に書かれています。1トン当たり6600米ドル(=1ポンド当たり3ドル)を超えると、景気拡大に備えよというメッセージに読まれるとされます。また4400ドルを下がると需要が停滞していることを指すようです。

   そこでロンドン金属取引所の銅価格の推移を見てみました。

www.lme.com

 このグラフは時間軸を自由に設定できます。今右肩上がりで銅価格は上がっていて、1トン当たり1万米ドルをついに突破しました。昨年1月15日に暴落に転じた銅価格は、3月23日に4617ドルと底値をつけました。しかし、そこから反転し、以後はほぼ上昇トレンドにあります。これはまさに新型コロナウイルスが世界の産業界に与えたインパクトを裏付けるものですし、同時に「銅は景気を知っている」ということわざをよく示したもののように感じられます。

 このロンドン金属取引所における銅価格1トン当たり1万ドル突破というのはアメリカのバイデン大統領が大規模なインフラ投資プランをぶち上げたことが大きく影響しているのかなと思います。銅は電気配線に欠かせませんし、電気自動車への転換となると確実に需要が膨らむのでしょう。さらには、中国の需要も無視できないようです。

 このロンドン金属取引所(LME)は鉄は扱っていなくて、非鉄金属の中でも銅、ニッケル、鉛、アルミ地金、錫などが取引されています。アメリカの経済報道のブルームバーグもLMEの銅価格の急上昇を記事にしています。銅相場は「過去最高値」に近づいたと書かれています。鉄鉱石や錫の価格も上がっているとのこと。インフレの加熱も心配されるほどになっています。日本国内にいるとわかりませんが、世界は着々と復興需要とさらなる経済の発展に向けて変化しています。

www.bloomberg.co.jp