「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

NYTに掲載されたバーニー・サンダースのイスラエル批判 イスラエルに対する世界中からの疑問の眼差し

  大統領候補として注目されてきたバーニー・サンダース上院議員ニューヨークタイムズにもう米国はイスラエルのネタニヤフ政権の弁護者であることをやめろ、という論旨を寄稿しています。左派のバーニー・サンダースが書くのは当たり前だろう、という人いるかもしれませんが、このところ、イスラエルに対する国際世論の風向きがかなり厳しくなってきた気がします。私のブログでも紹介しましたようにアメリカでもフランスでも、今日のイスラエルの宗教原理主義の異常な影響力が政治や社会をゆがめていると告発するようなルポルタージュが報じられてきています。過去の左派による批判とは一線を画するイスラエルを内側から告発するものが出ており、それも核心にある宗教保守の実像に迫り始めていることです。パレスチナとの二国による紛争解決策を拒否している原点にはこの宗教右派があります。信者はTVもインターネットからも切り離され、宗教指導者の指示で動く存在になっていることが映像で示されて、これはイスラエルに対する敵意のさしてなかった人々であっても、それらの番組を見ると、かつてのイスラム国家並みに、かなり異常だなと思わせるものなのです。ネタニヤフはこれらの人々の支持を梃に10年近く政権を握ってきました。

www.nytimes.com

Over more than a decade of his right-wing rule in Israel, Mr. Netanyahu has cultivated an increasingly intolerant and authoritarian type of racist nationalism. In his frantic effort to stay in power and avoid prosecution for corruption, Mr. Netanyahu has legitimized these forces, including Itamar Ben Gvir and his extremist Jewish Power party, by bringing them into the government. It is shocking and saddening that racist mobs that attack Palestinians on the streets of Jerusalem now have representation in its Knesset.>

 バーニー・サンダースのこの発言の部分は特に鋭くネタニヤフ政権の反民主主義かつ人種差別主義を批判していますが、見逃せないのは汚職の告発から逃げ回るために何が何でも政権を維持しようと、強硬派の極右政党ユダヤパワー党まで政権に加えていることです。バーニー・サンダースは大統領予備選で敗れたとはいえ、政権党グループの重鎮議員です。サンダース議員は毎年40億ドル近くを米国はイスラエルに財政支援しているが、最早、このレイシストかつ反民主主義的な政権を米国は看過できないと呼びかけています。

 この現象は一歩引いてみると、欧州や米国で強まっているレイシズムと響き合いながらも、ユダヤ系の人々に取ってはベクトルが真逆に作用します。イスラエルユダヤ人がパレスチナ人を抑圧すればするほど、ネオナチたちは自分たちの信念の正しさを感じるでしょう。実際に、今欧州でも米国でもユダヤ人に対するレイシスト犯罪が多発しています。皮肉なことにトランプ大統領イスラエル側に立ちましたが、米国内のユダヤ人社会がどう動くかも注目です。

 

※ネタニヤフが政府に引き込んだと批判されているウルトラ保守のItamar ben Gvirに関するフランス24の報道。報道によると、このイスラエルの極右政治家は、何度もヘイト的言説で逮捕された経験者で、イスラエルからすべてのアラブ人を追放することを唱えたユダヤ教原理主義のラビ、Meir Kahaneに影響されたとされます。しかも、民主政治ではなく、神権政治を求めていたとされます。宗教原理主義国家です。こうした人々が影響力を持つ限り、アラブ側の人々への割り当て地に、ユダヤ人の入植が途絶えることがないでしょう。この人の政党ユダヤパワー党がネタニヤフの政党と連立政権を組んでいることをサンダース議員は指摘しています。

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