「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

NYT トマス・フリードマンの卓見 今回のハマス V.S. イスラエル紛争の核心

 今回のアラブーイスラエル間の紛争をニューヨークタイムズのジャーナリストでコラムニストのトマス・フリードマンは冷静にとらえているように思います。すなわち、今、イスラエルは勢力が左右で均衡しており、どちらも6割を超える勢力をクネセットで数的に持てないため、あわよくば、アラブ人の政党がネタニヤフの政党と連立を組む可能性が出ていました。このことこそがハマスとネタニヤフが互いに権力を温存するために昔ながらの対立構造をできるだけ温存させるべく、行動に出たというのがフリードマンの解釈です。私は面白い意見だと思います。昔の社会党がいつまでたっても政権を取れなかったのはなぜか、というテーマと似ているようにも思います。要するにアラブとイスラエルの対立で飯を食えた人々が双方に存在した、とフリードマンは考えているのです。見出しのビビというのはネタニヤフの愛称です。1月6日は米議会にトランプ支持の極右の人々がなだれ込んだ時ですね。要するにアラブ民族の軍事勢力のハマスも、ネタニヤフもトランプと同様にモッブたちを刺激して、政治を思う方向に誘導しようとしている、という趣旨です。

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The latest rerun of their long-running nasty show is happening now because both were staring at an amazing breakthrough shaping up between Israeli Jews and Israel Arab Muslims — and, like the pro-Trump mob on Jan. 6, they wanted to destroy the possibility of political change before it could destroy them politically.>

 

この個所、面白いです。もし、ユダヤ人とアラブ人の連立内閣ができると、大きな政治の変化につながった可能性があるとフリードマンは指摘し、だからこそハマスとネタニヤフのリクード党は今年1月のトランプ派のモッブたちが起こしたような暴力行動に打って出たのだと考えています。ハマスとネタニヤフの政党は互いに必要しあっているのだ、と。