ニューヨークタイムズのコラムニスト、ミシェル・ゴールドバーグがユダヤ人が米国で嫌がらせを受けたり、襲われたりしている事件について書いています。直近の話題としてはイスラエルがハマスに攻撃の倍返しをしたことでしょう。それによって、米国内ではアラブ人の側に立つ人々の中に、ユダヤ人に対する激しい敵を示す人が出ているというのです。これは、そういうことはあるだろうな、と思います。さらにゴールドバーグが言うには、トランプが共和党の候補に選ばれて以来、反ユダヤ主義が拡大したと書いています。トランプ大統領自身はレイシストでしたが、イスラエルに関しては明確に応援していました。娘婿がユダヤ人だったということもしばしば報じられたものです。
ミシェル・ゴールドバーグはここで、こんなことを書いています。
「Right-wing Zionists and anti-Semitic anti-Zionists have something fundamental in common: Both conflate the Jewish people with the Israeli state. Israel’s government and its American allies benefit when they can shut down criticism of the country as anti-Semitic.」
(右翼のシオニストたちと反ユダヤ主義の反シオニストたちは基本的に同じものを抱えている。すなわち、両者はともにユダヤ人=イスラエル国家と混同していることだ。イスラエル政府と米国にいるその仲間たちは、イスラエルの政策を批判した国については反ユダヤ主義とレッテルを張って批判することができるメリットがあるのだ)
ゴールドバーグのこの一文と言い、最近のNYTのコラムニストたちは以前より、踏み込んだことを述べている気がします。つまり、表層の歌舞伎芝居みたいなことを排して、本当の解決を目指すべきだと言っているように聞こえます。そして、両民族の単純な対立構造に持ち込んではならないのだ、と。それだけ、イスラエルの外側世界における反ユダヤ主義が苛酷になりつつあることを意味します。ユダヤ人=イスラエルではない。この言葉はとても強烈なインパクトがあると私は感じます。