ナンシー・ウェイクは日本ではほとんど知られていないと思いますが(私も知りませんでした)、フランスにおける対独レジスタンス活動で活躍したトップレベルの女性スパイとして欧米では知られているようです。もともとニュージーランド生まれですがジャーナリストとなってフランスに渡り、隣国ドイツの反ユダヤ主義の恐るべき現実を町で見て、やがて反ナチスのレジスタンス活動にコミットしていきます。
ナンシー・ウェイクはフランスと英国のレジスタンス組織の間を連絡していたのですが、ゲシュタポはその存在を「白いネズミ」と呼び、認識しながらもどうしても彼女の正体をつかめず、敗戦まで逮捕できなかったのです。そんなナンシー・ウェイクの活動が以下の再現ドラマで描かれています。彼女が愛していたフランス人の夫はゲシュタポについに逮捕され、拷問を受けても彼女のことは語らず、銃殺されます。そのことを戦後に知ったウェイクは自己を悔やんだそうです。
再現ドラマの途中で、頭に赤いバンダナを巻いて出てきて語るおじさんは以下の伝記の作者ピーター・フィッツシモンズですね。なんか海賊劇の登場人物みたいな、ちょっと異様な登場感です。