「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

NYTのポール・クルーグマンのコラム  当面はインフレの心配なし 

  ニューヨークタイムズで経済学者のポール・クルーグマンがインフレ懸念は一段落だという趣旨のコラムを書いています。先日書きました連邦準備制度理事長の発言とも重なることですが、クルーグマンはインフレの歴史を交えて、一時的な需給の調整局面でインフレが起きているだけで、長期的なインフレ~1970年代のスタグフレーション~の心配は目下はないと、連邦準備制度の方針と協調しています。

 1970年代のスタグフレーションはインフレでありながら、失業率も高いという事態でした。物価上昇率と失業率はトレードオフの関係にある(一般に失業率が低下すると、物価が上がる関係=「フィリップス曲線」で表現された)というそれまで常識とみられていた経済法則に反する事態でした。これこそが新自由主義派のミルトン・フリードマンらシカゴ派経済学者たちが、ケインズ的な財政政策(公共事業で経済をテコ入れする)を軽視し、通貨をコントロールすることで経済を動かすマネタリスト的なアプローチを重視したことにつながっていきます。これが小さな政府という考え方の基になります。今日では短期のフィリップス曲線と長期のフィリップス曲線と2通りに分けて考えられています。

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  クルーグマンは物価が急上昇した様々な価格について述べていますが、先日書きました中古車や銅についても触れられています。金属の中でも銅の価格は経済の指標となると前に書きましたが、銅価格は高騰したあと少し下がり、調整局面にあります。とはいえ、未だに値上がりしているのも確かで、これは巨額のインフラ投資計画に関連しているのではないかと思いますが、加熱しすぎた部分が少し沈静化してきたのではないでしょうか。連邦準備制度は来年に入るとインフレも失業率もかなりノーマルに戻るだろうと予測しています。

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