宣伝ぽくなって恐縮ですが、今、コロナ禍の中、ZOOMを使って遠隔地同志の話し合いとか、コミュニケーションが加速してきていますね。新しい社交性が開拓されているわけですが、私が2016年の春から取材を始めたパリの「立ち上がる夜」という運動はパリの共和国広場というところに、毎晩数千人の男女が集まって、いろんな輪が生まれ、自分の好きな議論をしている輪に誰でも自由に参加してよい新しい社会運動でした。100余りのグループが生まれて、上下関係とか、組織に縛られないで、自由・平等・友愛を基盤に繰り広げられていたんです。パワハラなし、独裁者抜き。本書はこの運動に積極的に参加していた様々な人々を2年に渡って追いかけたノンフィクションです。今のように、閉塞感が強い上に、正規雇用と非正規雇用、様々な差別に縛られた時代をどうやって、越えて行くか。これを変えないといけませんね。それが今の課題だと私は思っています。この本には参加者たちの知恵と勇気に満ちた言葉が詰まっていて、自分で言うのもなんですが、お薦めしたい本です。
立ち上がる夜 探検記 | 村上 良太 |本 | 通販 | Amazon