以下はレナード・ケスラー(Leonard Kessler)という子供向けの本を多数書いた絵本作家の追悼記事です(ニューヨークタイムズ)
「Leonard Kessler, Colorful Children’s Book Author, Dies at 101」
ttps://www.nytimes.com/2022/02/24/books/leonard-kessler-dead.html
この記事はしみじみと胸を打ちました。戦争や差別にまつわる文章ばかりこのところ書いてきただけに、子供の日常を観察して想像力を豊かに描いてきたらしい絵本作家の幸福な人生にほっとするものを感じました。記事によると、ケスラーさんはアンディ・ウォーホルと友人だったそうですが、ソーシャルワーカーで幼稚園で働いていた奥さんと長年、絵本を一緒に作ってきたそうです。80歳を超えて、過去に絶版になっていた絵本が次々と再刊されるようになりました。ジル・モーガンというソフトウェアのプログラマーの女性が自分の子供向けにこの人の一冊の古い絵本「パインさんの紫色の家」をネットで見つけて300ドルで買い、やがて新しい出版社を立ち上げ、最初にその本を復刻したのだと言います。よほど惚れ込んだのでしょう、古い一冊の絵本が女性を転職させ、出版社を作らせたのですから。そして、再刊されたその本はベストセラーになったわけですから、現代のおとぎ話みたいな味わいがあります。