前に一度、紹介しましたが、学生が選ぶゴンクール賞が日本でも昨年から始まり、3月末に第一回目のゴンクール賞日本の受賞作が発表されました。フランスのゴンクール賞選考委員会が途中まで選んだ候補作数作の中から、独自に日本で受賞作を選ぶのですが、学生たちが原書を読み、討論しながら決めるわけです。全国の学生が4~5か月間、ZOOMを使って読書会と討論会を週1回のペースで行うのです。インタビューしてみると、この読書会は非常に学生たちの評判が良くて、こんな充実した時間はない、という声が返ってきました。この試みの新しさは、学生たちが学校の敷居を越えて、交じり合い学び合うことができるところで、幕末や明治期の「塾」、学びの原点のような気がします。しかも指導教官の解説もつき、無料です。最後まで選考委員から離脱せずに続けたら、フランス大使館からゴンクール賞選考委員だった証書を渡されます。これは「卒業証書」よりも価値があるかもしれません。