「ニュースの三角測量」

ニュースを日英仏の3つの言語圏の新聞・ラジオ・TVから読んでいきます。アジア、欧州、アメリカの3つの地点から情報を得て突き合わせて読むことで、世界で起きていることを立体的かつ客観的に把握できるようになります。それは世界の先行きを知ることにもつながると思っています。時々、関連する本や映画などについても書きます。

ルモンドとTV

 以下のルモンドの記事に、ルモンドが毎週日曜日にTV局のFrance Intelと協力して政治に関するインタビューを作っていることが書かれています。ルモンドはフランスの夕刊紙で、この前書きが何を意味するか、特に日本の私たちに何を示すか、と言えば、フランスでは新聞とTVが協力するとわざわざ前置きする必要があるということです。逆に言えば、日本ではTV局の多くは新聞社の傘下に入っており、その支配下にあると言えます。報道ステーションなどでも、朝日新聞の記者が解説に出てくるのが日本ではごく普通の風景です。また、日本テレビとか読売系では読売新聞の記者が解説に出てきます。つまり、日本のTV局は映像メディアでありながら、活字メディアの支配を受けているのです。フランスでも産業グループがあり、活字媒体やTV局がつながっていることはしばしばです。でも、日本のように新聞社とTV局が1対1対応しているほど、はっきりわかりません。

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  新聞社とTV局が提携することは良いのか、悪いのか。簡単に白黒つけがたいところはありますが、悪しき点が1つあります。それは新聞社が権力に対して屈してしまったら、TV局もまた同様になってしまう、ということです。ですから、その分、日本のメディアの独立は脆弱である、ということになります。権力を持ち、政治や経済、軍事を動かす人々にとって、メディアは一元的に管理できるのが最も理想的なのです。その意味で、メディアが政府や大資本に拘束されてしまうと、国民が状況判断を誤り、その生存の危機に直面する可能性が今後はますます増えてくるでしょう。インターネット媒体は玉石混交と言われていますが、それでも独立した媒体が増えることは良いことです。仮にその媒体へのアクセス数が100とか、1000みたいなミニ媒体であったとしても、試みる価値はあると思います。