ちきゅう座のグローガー理恵さんは、ウクライナの戦争に関して、マスメディアが無視してきた非常に示唆に富んだ欧米の情報を発信していました。今回も、またそうした情報です。アメリカの国際政治学者ミアシャイマー教授によるウクライナ戦争の構造です。この教授については、私も前に少しこのブログで触れさせていただきましたが、2014年の前回の紛争の頃もインターネットで見解を発信してきた米国のシカゴ大学の大物教授で、一流のメディアではしばしば引用される人物です。日本のメディアの特徴は、一見、年表は並べるものの、本質的な歴史性を軽視することにありますが、ミアシャイマー教授はまさに、そのアキレス腱の部分、ブラックボックスになっている個所について話しているのです。
誤解していただきたくないのはおそらくグローガー理恵さんも、私もですが、別にプーチンが好きで、こうした問題提起をしているのでは全然ない、ということです。そうではなくて、因果関係を歴史的に理解して初めて解決策が得られるのです。表層的な反応をしているだけでは、米国のアフガニスタン支配と撤退の繰り返しとなるだけです。北朝鮮についても、同じことが言えるのではないかと私は思います。ロシアの要求に関しても、北朝鮮の和平協定への要求に関しても、過去、米国が徹底的に交渉を拒否してきた結果が、今日なのです。この米国の拒否の理由は何か、と私なりに考えると、兵器産業あるいは軍産複合体が政治に力を及ぼしていることに尽きると私は考えています。NHKを含め、日本のマスメディアには表に出してはいけない暗黙の領域が年々大きくなっているように私は感じています。国内の報道だけ見ていたのでは、きついベールがかかっていることが確実です。日本やアメリカは報道の自由はあるが、ロシアや北朝鮮はない、というのは、自分が置かれた状況が見えていないことを意味します。