今回の安倍首相の暗殺事件で、決定的に影響を受けたのはTV報道でしょう。TV報道が10日の参院選挙投票まで統一教会という名前を徹底的におそらくキー局の全局が秘めたらしいこと、そして、9日にはNHKスペシャルまで拙速で作って放送されたにも関わらず、統一教会という事件の鍵となる情報がゼロであったこと。これも視聴者から見れば、疑問だらけでした。もはやTV報道よりもYouTubeの方が信頼できるメディアになったと感じた人も多かったに違いありません。しかし、YouTubeはまだまだ地上波に比べると視聴者が乏しく、影響力には圧倒的な差があるのも確かです。それでも何か事件があればTVでなくYouTubeを検索する、という視聴行動へと転じる契機となったのは間違いはいでしょう。
TVだけでなく大手新聞も同様で、デジャビュ感があるのは、シュタージに監視されていた東独のメディアの記憶でしょう。ベルリンの壁崩壊前夜、東ベルリンの市民は真実を知るために西側の放送をひそかに視聴していましたし、西側メディアも東独向けに放送をしていました。中国のようにインターネットを規制しない限り、真実をせき止めることはできません。