中間選挙で共和党が当初の見込みほど風が吹かなかったばかりか、上院での民主党支配を許してしまったことで、トランプ元大統領への支持者が減りつつあると米国で報道されています。また、トランプ的でまだ40代のフロリダ州知事デサントスを2024年に共和党候補にしようというムードも高まってきました。そんな気配にトランプ元大統領はいち早く、予備選への立候補を表明したのですが、ニューヨークタイムズにはトランプを米憲法の修正第14条3項で法的に葬れ、というコラムは掲載されました。 論説委員のジェス・ウェグマン(JESSE WEGMAN)による「Is Donald Trump Ineligible to Be President?」(トランプは大統領候補として不適格か?)というコラムです。骨子は、2021年1月6日に議事堂で起きた暴徒の議事堂占拠事件の調査から、トランプ元大統領に対して、修正第14条3項が規定する内乱(教唆も含む)を行った者に対して統治機構から排除する、というくだりが適用可能であるというものです。ただ、憲法条文では上下両院の3分の2以上の承認を取り付ける必要があります。 中間選挙前であれば、まだ2024年のトランプ再選への機運が十分にありましたが、中間選挙の敗因としてトランプ大統領を指す政治家が増えていることから、修正第14条3項の適用にも現実味が出てきたのではないかと私には感じられます。共和党にとっても、デサントス擁立で固まれば、もうトランプ元大統領はむしろ党の復興の邪魔でしかないでしょう。3分の2を確保するためには共和党サイドから少なくとも5分の1の議員から、この条文の適用に賛成する票を集めなくてはなりませんが、それも可能性が出てきたように思われます。共和党内でトランプ大統領を良しとしなかった保守本流と、デサントスに鞍替えする人々を合わせれば可能性があるように思われます。
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