毎日激動の世界の中、緊張の中で生きています。この2~3日は中国のデモの行方について興味がそそられ、天安門事件以来の激動の予感すら感じました。仮に現政権が民衆を抑え込んだとしても、こうした反政府的な意識がこれほど覚醒してしまうと、必ず数年後に激震が及ぶ可能性があります。天安門事件が起きたのは1989年で、日本では昭和から平成への転換点でした。中国にとっては経済がテイクオフした頃であり、民主化運動を抑え込んでも経済的に豊かになって夢が持てる時代だったのです。しかし、30数年後の今、中国は中進国の罠に日本同様にかかり、工場は労賃が安いインドやアフリカやインドネシアなどにシフトしています。こうした中、中国経済は安倍政権時代と同様に第三の矢だったイノベーションが上手くいかず、先進国の猿まねだけしかできなければ、長期的な下降に転じます。少子高齢化も日本と同様ですし、ドイツのDWの報道を見ると、中国で起きているのは中国版ロスジェネ時代への突入ではないでしょうか。若者たちの5人に1人が就職できないと訴えていました。私にとっては、天安門事件以後、初めて中国人の顔が見えた瞬間です。